自立よりも
お久しブリです。
私は以前、中学部の塾生の親御さんによる送り迎えを、
子供の自立を妨げるもののように感じていたことがありました。
実際、自立期(親にとっては反抗期)にある子供は、
極力親との接触を避けようとするものですし、
何でも自分で(友達と)やろうと考えるものです。
ですから、今の親御さんととても仲の良い塾生達の姿を見ると、
10年前の中学生とは似ても似つかない姿に戸惑う時もありました。
どうして彼らは嫌がらないのだろう…と。
しかし、こういうニュースを聞くことが多くなるに従い、
私の考えは完全に変わりました。
むしろ親御さんに送迎してもらう方がいい…と。
和歌山県紀の川市で市立名手(なて)小5年の森田都史(とし)君(11)が何者かに胸を刺されるなどして殺害された事件は6日、犯人の行方がつかめないまま一夜が明けた。現場は自宅の十数メートル先、通っていた小学校からも約600メートルしか離れていない空き地だった。放課後の子供を守るにはどうしたらいいのか。事件のたびに問題が指摘されるが安全対策は簡単ではない。
子供が狙われる事件への取り組みは、平成16~17年に奈良市や広島市などで相次いで発生した殺人事件をきっかけに、全国で強化が進んだとされる。
以降、全国的に子供の登下校の見守り活動が急速に普及し、集団登校も積極的に実施されるようになった。今回事件のあった紀の川市では、登校時は毎週月曜日と毎月1、15日、下校時は毎日、防災無線を使って市内全域に子供の安全を呼びかける放送を行っているという。
ただ、今回の事件は、大人たちが監視を強めている登下校時ではなく、放課後の時間帯だった。
現場近くに住む女性は「平和な街。子供が外に遊びに行ってくると言っても、心配したことがなかった」と明かす。
26年の警察白書によると、13歳未満の子供が被害に遭う刑法犯の認知件数は16年以降減少傾向にあるが、25年は2万6939件と決して少なくない。
防犯ブザーやGPS機能付き携帯電話といった防犯グッズも普及しているとはいえ、学校から帰宅し、遊びに出かける子供たちを見守り続けるのは難しい。警察が設置を進めている防犯カメラも繁華街がほとんどで、プライバシーなどの問題から、住宅街ではほとんど実施されていない。
地域防犯活動に詳しい奈良女子大の瀬渡(せと)章子教授(住環境計画学)は「住宅地であっても最近は留守がちな家が多く、在宅していても高齢化が進んでおり、目の届く範囲は狭くなりがち。放課後には時間的、空間的な死角はどうしてもできてしまう」と指摘する。
そのうえで、「マンパワーには限界があり、決め手がないのが実情。どこでも事件は起こりうるという前提で、大人が子供を守るだけでなく、子供自身が身を守る力をつけるよう防犯教育を行っていくべきだ」と提言している。
【転載終了】
悲しいことに、いまは何よりも安全をこそ、一番に考えなければならなくなりました。
子どもが公園の遊具で遊んでいたら怪我をしたとかのレベルではないのです。
子どもたちの『自立よりも安全』を考える時代なのだと思っています。
そう思っているので、以前のように授業を延長したり、
夜遅くまで質問に応えたり、そういうこともやめたのです。
それは生活リズムを崩さないことにもつながります。
先月、勉強会に行くために朝霞台駅で乗り換えしました。
その時に街頭で配布されていたのが「齋藤杏花(あんな)さん」の情報を求めるものでした。
私にできるのは、杏花さんの写真から顔を覚え、
街を歩いている時に見かけたら気付けるようにすることだけかもしれません。
両親の気持ちを思うと、どうにもしてあげられないもどかしさで辛くなります。